トロルの舌

リンゲダール湖の上空に突き出したトロルの舌(トロルトゥンガ)

ノルウェー西部・ハダンゲル地方の山中に、空へ向かって水平に突き出した一枚岩・トロルトゥンガ(トロルの舌)。
標高約1,180m、眼下およそ700mにはリンゲダール湖(Ringedalsvatnet)が広がり、その姿はまるで伝説の巨人トロルが舌を突き出したよう。往復20km以上のトレッキングを歩き抜いた人だけが立てる、ノルウェーを代表する絶景です。

トロルの舌ってどんな場所?

フィヨルドの町オッダ(Odda)の近く、氷河が削った岩山の断崖から張り出した岩で、ノルウェー語で「Troll(トロル)」は伝説の巨人、「tunga(トゥンガ)」は舌を意味します。登山道はノルウェーの「ナショナル・ツーリスト・トレイル」に認定されており、赤い「T」マークと残り距離を示す標識が整備されています。

岩の先端に立つ記念撮影は、夏のピーク時には1〜2時間待ちになることも。晴れた日には湖の向こうにフォルゲフォンナ氷河まで見渡せ、待ち時間も含めて"山の上のご褒美"を味わう場所です。

ギャラリー

ベストシーズン

トロルの舌は雪の状況で「行ける時期」が決まります。個人で登るなら夏一択です。

時期状況ポイント
6月中旬〜8月雪解け後のハイシーズン日が長く歩きやすい。個人で登れる時期だが、7〜8月は最も混雑
9月混雑が落ち着く山が色づき始める穴場の時期。気温は5〜9℃程度まで下がるので防寒必須
10〜5月雪と氷に覆われる個人登山は危険。スノーシューなどのガイドツアーのみ推奨

夏でも天候が急変し、雪が残る年もあります。往復に丸一日かかるため、朝10時前には歩き始めるのが鉄則。防水ジャケット・登山靴・防寒着・食料と水は必ず用意しましょう。

行き方

日本からの直行便はなく、ヨーロッパの主要都市を経由してノルウェー西部の玄関口・ベルゲン(Bergen)へ。ベルゲンから車またはバスで約3時間で拠点の町オッダに到着し、そこから登山口まではシャトルバスで約30分です。登山口は3か所あり、どこから歩くかで距離が大きく変わります。

  • P2 スキェッゲダール(Skjeggedal):メインの登山口。往復約27km・8〜12時間
  • P3 モーゲリトップ(Mågelitopp):P2からシャトルバスでさらに上へ。往復約20km・7〜10時間。駐車場は30台のみで事前予約制
  • P1 ティッセダール(Tyssedal):麓の駐車場。往復約38kmと長く、通常はここからシャトルバスで上がります

初めてなら、シャトルバスでP3まで上がるのが体力的に安心です。登山当日にベルゲンから日帰り往復するのはおすすめされていないため、オッダ周辺で前後泊を。ノルウェーはシェンゲン圏で、日本のパスポートなら短期の観光はビザ不要ですが、入国条件は変わることがあるため外務省「海外安全ホームページ」で最新情報を確認しましょう。

費用の目安

項目目安
P2駐車場(当日・道路通行料込み)約9,200円(550NOK)
P3駐車場(当日・要予約)約13,800円(駐車600NOK+道路通行料220NOK)
P1駐車場(当日)約5,500円(330NOK)
シャトルバス(P2→P3)約2,500〜3,400円(150〜200NOK程度)
オッダ〜P2のシャトルバス要確認(事前予約推奨)

※2026年10月時点の情報。円換算は1NOK(ノルウェー・クローネ)=約16.8円で計算した目安です。料金・運行期間・為替レートは変わることがあります

入場料はかかりませんが、駐車料や通行料は登山道や山岳レンジャーの維持に使われています。ノルウェーはキャッシュレス社会なので、クレジットカードがあればほぼ困りません。シャトルバスは席数が限られるため、夏は早めの予約が安心です。

現地の名物:ハダンゲルのりんごとシードル

枝に実った赤いりんご
ハダンゲル地方のりんごのイメージ(写真:Timothy Grindall/Pexels)

トロルの舌があるハダンゲル地方は、フィヨルド沿いの斜面にりんご畑が広がるノルウェー屈指の果樹の里。この土地のりんごで造る「ハダンゲル・シードル」は、すっきりとした酸味と爽やかな香りが特徴です。長い山歩きを終えた夜に、フィヨルドを眺めながら味わう一杯は格別。農園直売所やオッダ周辺のレストランで、ジュースやシードルを気軽に楽しめます。

マップ